2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2020.9月 芥川龍之介「藪の中」

意図的な虚偽 無意識的記憶のすり替え 立ち振舞の誤認 言葉の聞き間違え 信仰とも取れる思い込み これらが複雑に交わり絡み合い ひとつの事実から様々なプリズムが生まれる 我々の日常においてさえそれは容易に起きるのだから 眼前の凌辱という極限状態とも…

語り 芥川龍之介「藪の中」 配信開始のお知らせ

新作配信 先んじてこちらにご案内させて頂きます 今回は 芥川龍之介の「藪の中」です 意図的な虚偽 無意識的記憶のすり替え 立ち振舞の誤認 言葉の聞き間違え 信仰とも取れる思い込み それらに加え 三者の告白には微細な心のゆらぎ 震えをも見え隠れし その…

無理だろうけれど

たったひとつの唄が流れるだけで 過ぎ去ってしまった景色が鮮明に蘇る 懐かしくて ただただ懐かしくて ぼんやりと耳を澄ます もうそこに僕はいなくて しかしそこにいた時の匂いは妙にリアルで その時 いまの未来などは一切見えていなくて いつの日か 今日と…

六の宮の姫君7(修正/覚書として)

他者を尊敬することができない不幸 誰からも愛情を注がれたことがない荒廃した生活の中で育まれた憎悪 その憎悪に 他者を尊敬する心は生まれ難い 愛情を注がれることがあまりに当たり前の生活の中で育まれた自尊心とその自尊心に伴う傲慢さ その傲慢さに 他…

六の宮の姫君6

六の宮の姫君3で「羅生門」と対比させ書いたが 今日は「往生絵巻」と比べてみたい 姫君は死の間際 乞食法師に「往生のため仏名を唱えなされ」と言われる が 姫君は一心に唱えない 最後は成仏せぬ魂として描かれ 幕が下りる 「往生絵巻」は 殺戮を繰り返して…

2019 「班女」 お礼状より

この度はお忙しい中、世 amI×身体の景色vol.1「班女」へ、 ご来場頂きまして誠にありがとうございました。 無事千秋楽を迎えることができました。 9ステージ、舞台上には毎回異なる風が吹いておりました。 そしてその風に導かれる俳優の呼吸は、お客様の呼吸…

ドラえもんについて

空を眺めていたら 青い空と白い雲のコントラストが ドラえもんであることに気付いた となると 黄色い鈴は月で 赤い鼻は太陽となろう その気付きと同時に 藤子不二雄さんのお弟子さんがインタビューで 「ドラえもんは丸い円、球体のみで造形されたキャラクタ…

六の宮の姫君5

希薄さ 意思のない肉体 クラゲのように静かにたゆたう 快楽を知らない(感じない)肉体 満ちる一体感(共鳴や共感)を知らないと同時に喪失を知らない 血凍る憎悪を知らないと同時に血沸き立つ愛情も知らない 魂はすでに悲鳴をあげている しかし悲鳴のあげ方…

六の宮の姫君4

知らないということ その事実が今更ながらやっと腑に落ちてきた 姫君の虚無を理解できる範囲で捉えようとし過ぎていた そう 姫は「知らない」のだ だから 六の宮の姫君2に書いたような「喪失」が存在しない 喪失しようがないのだ 「知らない」から感ずるこ…

六の宮の姫君3(修正)/或いは【「六の宮の姫君」と「羅生門」と「或旧友へ送る手記」】

遊びに気付く 六の宮の姫君の死の場面は朱雀門 朱雀門は 羅生門の対 北の朱雀門 南の羅生門(正確には羅城門) また 六の宮の姫君の死の場面は晩秋 羅生門には初秋の季語キリギリスが出てくる そして共に夕暮れ 雨止みという状況 秋の始まりと終わり 平安京 …

六の宮の姫君2

虚無に至る過程は書かれていない 冒頭よりそれはそこにあり 姫は既にそれと共に在る … 僕らは巨大な喪失の果て 初めて虚無と向かい合う そしてそこで初めて 宿命に否応なく従順な己(又はニンゲン)というものを見る 突き付けられる それでも僕らは歩く 歩く…

2020.8月 太宰治「貧の意地」

新釈諸国噺の冒頭に収められている 稽古を進める中 登場人物たちがどんどん愛おしく思えてきた不思議な作品 浪人たちの 貧に至る経緯が色鮮やかに見えてきたり 行燈に照らされた薄暗い天井のシミや 少しカビ臭いようなジメリとした室内の湿気を感ぜられたり …

六の宮の姫君1

虚無 まずはそれが見えた 無常観とも言える がしかし その… 宿命の全てを ありのままを ありのままに受け入れ 希望は一切見ず 諦観の極地に居 物質への喜びもなく 精神的な満足も知らず 何をも求めず 憎悪もない代わりにしかし愛する喜びも知らず それでいて…

断食

思うところあり断食 一日 水だけで過ごしてみる 酒は難しかろうと思っていたが容易にクリア 翌日には食欲が消えていて このまま何週間でも続けることができそうで 苦しい感覚は一切なく どちらかと言えば心地よい むむ と思う 妙なもので苦しいくらいが安心…